従来の健康保険証の有効期限が令和7年12月1日までであり、現在は医療機関・薬局の受付で、マイナ保険証もしくは資格証明書の提示が必要になっています。
以下はマイナ保険証の利用状況を示しています。令和7年10月時点のレセプトベースの利用率は47.26%に達しています。有効期限を目前に使用率が右肩上がりであることがわかります。

引用:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001616557.pdf
またマイナンバーの保有状況についても記載があります。
マイナンバーカードの保有率は約8割に達している一方、マイナ保険証として実際に利用されている割合はまだ途上段階にあります。

引用:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001616557.pdf
令和7年10月末時点でのマイナンバーカードの保有者数は9,948万人(全人口の79.9%)であり、うちマイナ保険証登録者は8,730万人(カード保有者の87.8%)。
マイナンバーカードをマイナ保険証として利用するには紐づけ手続きが必要になるため、カード保有者でもマイナ保険証として利用していないケースがあります。
令和7年9月よりスマートフォンでのマイナ保険証利用が一部の医療機関・薬局で開始されました。スマートフォン対応が進めば、カードの持参忘れや操作支援の負担は軽減に向かうと見込まれます。
電子処方箋は令和5年1月26日に運用を開始した仕組みで、処方情報を電子的にやり取りし、重複投薬や併用禁忌のチェックを自動化します。
令和7年10月時点の導入率は全施設で36.5%です。薬局は86.5%と進む一方、病院は17.3%、医科診療所は23.3%にとどまっており、医療機関側の導入が遅れています。

引用:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001616557.pdf
電子処方箋の利用により、処方・調剤において重複投与や併用禁忌のリスクの防止に繋がっていることが報告されています。令和6年度の実績で、重複投薬アラートが年間約3,600万件、1日あたり約10万件発生しており、併用禁忌アラートは年間約5.1万件発生しています。
災害時の有用性も実証されています。令和6年の能登半島地震では、道路寸断で通院が困難な被災地の患者に対し、オンライン診療と電子処方箋を組み合わせることで、現地の対応薬局での調剤を実現しました。
電子処方箋の今後の方針として、「電子カルテを整備するすべての医療機関への導入」という方向に整理されています。電子カルテと電子処方箋を一体的に導入推進する考え方への転換と捉えることができます。
本稿では【医療DX令和ビジョン2030】国の医療DX施策の解説(前編リンク)(後編リンク)記事の補足として、医療現場ですでに動き出している「マイナ保険証」と「電子処方箋」の2つについて整理をしました。
次回後編では、「 救急時医療情報閲覧」と「サイバーセキュリティ対策」についての最新動向を解説します。
1. 厚生労働省「医療DXについて」中央社会保険医療協議会資料(令和5年4月26日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001091100.pdf
2. 厚生労働省「診療報酬改定DXについて」対応方針資料
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001140175.pdf
3. 厚生労働省「医療DX推進本部」工程表概要(令和5年6月2日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001140172.pdf
4. 厚生労働省「医療DXの推進について」進捗状況資料(令和7年7月1日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001511374.pdf
5. 厚生労働省「医療DXについて」中央社会保険医療協議会資料(令和7年12月19日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001616557.pdf
6. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」システム運用編
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001582980.pdf
7.厚生労働省 スマートフォンのマイナ保険証利用について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60802.html
